今回は抜山蓋世(ばつざんがいせい)です。
力は山を抜き、気は世をおおう、力が満ちて、意気盛んなこと、ですな、力強い。
その通りです。意味もそのとおりです。響きもかっこいいですね。
でもさ、この言葉って、辞世の句に入っていたんだよね。
そうですね、オレも昔は強かったなー、みたいな使い方ですね。
昔の中国の漢の国を作った劉邦(りゅうほう)に負けた、項羽(こうう)が最後の戦いの前に、愛する女性に読んだ「垓下(がいか)の歌」に読まれています。
すごく簡単に言うと、超強かった俺も(ここが抜山蓋世)、今は、運もタイミングも悪い、馬も行こうとしないし、馬が行こうとしないんだから、しかたないじゃん、そんなことより、そなたの事をどうすればいいんだろう。みたいな詩です。
もっとカッコよく出来ないの、項羽嫌いなの?
好き、と言えば嘘になりますね、軍師の范増(はんぞう)の言う事をもう少し聞いていれば勝ってたかもしれませんよ。
まあそうだね、正直言って。項羽って作品によって違うけど、中国のドラマとかだとそんなにカッコよくも無いよね。
負け方がかっこ悪いんですよね。劉邦は劉邦で奥さんが、しっかりモノを越えてすごく怖い人ですよね。
中国三大悪女だからねぇ。
出典は「史記」でした。