今回は特別企画「易経 六十四卦卦辞」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経 六十四卦卦辞」になります。
今回は「地澤臨(ちたくりん)」です。
卦辞は「臨 元亨利貞 至于八月有凶」りんはおおいにとおりてただしきによろし はちがつにいたればきょうあらん。
八月ってやたら具体的だな。
昔の八月は、今の九月ですね、「地澤臨」は「十二消長卦」では昔の「十二月」今の「一月」です。そして昔の「八月」は「十二消長卦」では次の卦である「風地観」のことです。現在では「九月」に当たります。
何がそんなに悪いの?
「地澤臨」は下卦から「陽」が長じてきてこれから勢いがある感じですが、「八月(今の九月)からは「陰」が増えていき陰りが出て来るのです。
なるほど、これからは良いけどいつまでも良いわけじゃないことを言っているのか。
そうです、そしてもう一つは「臨」は「歸蔵(古い易)」に「林」とあり、「林」はものすごく偉い人を意味します、それは君主とも言えます。現在「林」は「孔子」のお墓の「孔林」と「関羽」のお墓の「関林」しかありません。
偉い人、支配者の意味があるのか。
「地澤臨」は上卦が「坤:地」で下卦が「兌:沢」で、「臨む」のですから上から下を見る感じですから、偉い人が民を思う気持ちで、しっかり誠実であれば「貞」であることを意味します。
高い土地から水を見下ろす感じなんだ。
「坤:母」で「兌:三女」というイメージです。女性ですから「使命」「結果」を求めるイメージです。
そして「臨」と「林」はさんずいをつけて書くことも出来ます、「淋」「瀶」となります。ここから長く雨が続いた「水害」と取ることも出来ます。「林過」とも言います。
易の「雨」は良い意味じゃないの?恵みの雨。
恵みの雨でも長く続けば災害になるのは、人間関係でも人生でも同じではないでしょうか。
なるほど、確かに。
裏に潜むものを示す「裏卦:錯卦(全ての爻の陰陽を逆にする)」は「天山遯」です。悪いものと交わらない、目先の損得だけではだめだ、ということです。
まーねー、結局、目先になっちゃうんだけど。
相手からどう見えるかを見る「綜卦(卦の上下を逆転させる)」は「地澤臨」の次の卦の「風地観」です。しっかり心で感じることが大切だと言うことです。
周りから見てそう見えるの?
そこを見られているのです、「心で見ているかどうか」を見られている、ということです。
あー、なるほど、「綜卦」とか「裏卦」も結構、深いな。
䷒19地澤臨(ちたくりん) 裏:天山遯 綜:風地観
地澤臨(ちたくりん)初爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
地澤臨(ちたくりん)二爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
地澤臨(ちたくりん)三爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
地澤臨(ちたくりん)四爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
地澤臨(ちたくりん)五爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
地澤臨(ちたくりん)上爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」