今回は特別企画「易経 六十四卦卦辞」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経 六十四卦卦辞」になります。
今回は「天地否(てんちひ)」です。
卦辞は「否之匪人 不利君子貞 大往小来」ひはこれひとにあらず くんしのていによろしからず だいゆきしょうきたる。
「天地否」は「十二消長卦」で言うと、全盛、全て「陽」の「新暦五月」に当たる「乾為天」から、少しづつ「陰」が増え、ついに半分が「陰」になった「新暦八月(旧暦は七月)」に当たります。
なるほど、良い所、強い所から減ってきた、衰退した感じ、も易では重要なんだね。現状だけで考えちゃいけないんだ。流れなんだね。
そうです、1円もない人が頑張って100万円貯めたら嬉しい、1億円持っていた人が騙されて残高100万円になったら悲しいですよね。
「天地否」はそういう意味で塞がった、苦労するイメージがあります。
いっぱいある感じからの半分になった感じなんだ。
それを、上卦の「乾:天」と下卦の「坤:地」が離れていくような、接点のない感じに思う、そして「人に非ず」は言葉の印象は過激ですが、中国語のニュアンスは「全然知らない人、全く親しくない人」というイメージもあります。
なるほど。
ですから、良かった時が去って行くから、小さく倹約していきましょうね、というニュアンスがあるのです。
絶望的な最悪じゃないけど、人によっては将来を悲観して絶望しかねない、絶望ってそういうものかもね。
裏に潜むものを示す「裏卦:錯卦(全ての爻の陰陽を逆にする)」は「地天泰」で、良かった、良くなっていくイメージです。
上手く行かなければ、倹約、謙虚さが生まれ、努力する、そうすれば良くなっていく、ということですね。
なるほど。
相手からどう見えるかを見る「綜卦(卦の上下を逆転させる)」も「地天泰」です。困ったときに努力していれば良くなっていくように見えますよね。
うーむ、冷静に客観的に考えればそりゃそうだけど、自分が困った時には、絶望しちゃうな。
だから、占いや易を学ぶわけです。
なるほど、ところで「十二消長卦」の「新暦八月」って真夏で盛りの感じもするんだけども。
しかし、青々とした葉が枯れだす、そんなイメージに人は衰退を強く感じたのです。
なるほど、人の心はやっぱり「流れ」なんだね。
䷋12天地否 裏:地天泰 綜:地天泰
天地否(てんちひ)初爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
天地否(てんちひ)二爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
天地否(てんちひ)三爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」
天地否(てんちひ)四爻 - かえるさんとにわとりさん「四字熟語」