今回は特別企画「易経 六十四卦卦辞」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経 六十四卦卦辞」になります。
今回は「雷澤歸妹(らいたくきまい)」です。
卦辞は「歸妹 征凶 无攸利」きまい ゆけばきょう よろしきところなし。
読んで字のごとく「征っちゃダメ」ってことです。
じゃあ、ダメなんだ。
いや、「結果」がダメとは言っていません、征くな、と言っています。「征」は、攻めていくような強い能動性です。
じゃあ、行かなければいいの?
そうも言っていません、どんなに努力してもダメかもしれません。
えー!わけわかんないじゃん。
例えば今、思っていることは本質ではなくて、理解した目標は全く上手く行かなくても、全く別の所で、これで良かったのか、なんてことだったりします。
え、むずかしい。
だから「雷澤歸妹」は難しいんですよ。歴史的事実を例にとれば「殷」と次の王朝「周」の政略結婚が例に挙げられています。
「殷」は、「周」と仲良くするために政略結婚をします、「周」に「太姒(たいじ)」を嫁がせました。
親戚になったわけだね。
とは言え、結局「殷」は「周」に滅ぼされました。
結局、ダメだったんだ。
でも、「太姒(たいじ)」は非常に優れた女性で「周」を大いに助けましたし、結果として「殷」の血筋も残ったとも言えます。
なるほど-☆彡 最初に思ったこととは違うけど結果的に良かったとも言えるわけだ。
要するに、個人の目先の目的なことでは無かったり、次の世代のためだったりするわけです。だから、目先のことでいくら頑張ってもダメかもしれないし、運命の逆らうことが良いとは言えないかもしれません。
要するに、分からなくて仕方ないことなどを意味するのか。
そうですね、でもそれが「個人的なこと」な場合もあります。なりたいものになれなかったけど、そのおかげで大事なことにつながって、当時勉強したことが意外なことに生きたりするようなこともあります。
なるほど。
ひとつ前の「風山漸」は努力してコツコツ進むイメージです、進めば「歸(き)する」帰るべきところへ「帰る」ということで、ここに「雷澤歸妹」が配置されています。
「雷澤歸妹」は若い女が嫁ぐ、正妻ではない、というイメージです、そのままの意味もありますし、「出来るか分からないこと」に投じられるイメージもあるのです。
力不足なのに「使命」を与えられたりするようなイメージかな。
そうです、慌てずこなす以外選択肢が無いですね。焦るな、ということです。
「雷澤歸妹」は上卦が「兌:三女」で下卦「震:長男」の結婚という考え方も出来ます。
昔の中国とか王族的なイメージもあるのか。そう考えるとちぐはぐ感もあるのか。
裏に潜むものを示す「裏卦:錯卦(全ての爻の陰陽を逆にする)」は「風山漸」です。
「風山漸」はコツコツ進むイメージだね。
そういうことです。簡単に諦めない、かつ、勝手に決めつけない感じですね。
難しいよ。
そういう状況だ、ということです。
相手からどう見えるかを見る「綜卦(卦の上下を逆転させる)」も「風山漸」です。極端に言えば「最後には報われる」イメージとも言えますが、その最後が自分とは限りません。
子孫とか後輩のためかもしれないのか、現実は厳しいけどそういうこともあるよね。
「雷澤歸妹」の上爻は結果が出た感じではないですが、見た目では分からない何か、が成果かもしれないのです。
䷵54雷澤歸妹(らいたくきまい) 裏:風山漸 綜:風山漸
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