今回は三三五五(さんさんごご)です。
さんさんごご?
あっちに三人、こっちに五人、ちらほらとヒトが行く。あちこちにモノやヒトが散らばっている様子です。
おお、なんか数字だけの言葉だけど、おもむきが、あるねぇ。
さすがですねぇ、中国の最高の詩人とも言える李白(りはく)の詩の言葉です。
ハスの花を摘む作業をしている女性達に、中国四大美女の西施(せいし)を重ねた詩です、その女性達の気をひこうと、三三五五(あちら、こちらに)男性がいる、と言うような部分です。
中国四大美女、って他に誰がいるの?
始皇帝の前の時代の呉と越の国の戦いで、越の差し金で、呉を滅ぼすのに加担した、傾国(けいこく:国をかたむける)の美女、西施。
漢の時代の、王昭君(おうしょうくん)、異民族を懐柔するために異民族に嫁いだヒトです。
唐の時代の楊貴妃(ようきひ)。
なんで入っているのか判らないのですが「三国演義」の貂蝉(ちょうせん)です。
え、貂蝉って、董卓(とうたく)と、呂布(りょふ)を仲たがいさせたヒトでしょ。美人だったんじゃないの?
いや、三国演義って、文学作品ですよ、貂蝉は創作されたキャラクターで、実在しません。歴史書、三国志とは違います、ただ、三国志の方が通りが良いので、三国演義でも、三国志と書くのが普通です。
あー、そうなんだ。
だから、細かいこと言えば、貂蝉が出てきたら、ドラマは歴史ドラマじゃなくて、文学作品のドラマだし、ゲームも、歴史ゲームじゃなくて、文学作品のゲームとも言えますね。
じゃあ、他のヒトにすればいいのに。
と、いうことで貂蝉を抜いて、漢を作った劉邦(りゅうほう)と闘った、項羽(こうう)の愛妃、虞美人(ぐびじん)にしている場合も有ります。
へ~。
出典は、李白の詩「採蓮曲」でした。