今回は余桃之罪(よとうのつみ)です。
君主や人の愛憎の激しさを物語った言葉です。
「余桃(よとう)」?
桃の余りですから、食べ残しです。君主に桃の食べ残しを食べさせた罪です。
ダメじゃない。
でも美しい女性が自分が食べた桃を美味しいので君主にも勧めて食べさせた話です。
あら、そうなんだ。
で、その時に君主は「自分が桃を食べて美味しいと思ったから、私の所に桃を持ってくるとは、可愛いやつじゃ」と喜んだのです。
じゃあ、罪じゃないんじゃない。
でも、その女性が歳をとった後に、あいつは私に食べ残しの桃を食わせた、と罪に問うたそうです。
まー、ひどい!
ちょっと、あからさまじゃない!
君主に仕える難しさを言った言葉ですが、人の愛情や憎しみの難しさを言った言葉でもあります。
要するに、可愛いと思う時は何でも良いことに見えるし、疎ましくなれば何でも憎くなる、ということですね。
いやだわねー。
出典は「韓非子」でした。