
今回は特別企画「易経 十二消長卦」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経 十二消長卦」になります。

今回は「卦辞 澤天夬 易経 十二消長卦」です。
「卦辞」は「夬 揚于王庭 孚號 有厲 告自邑 不利即戎 利有攸往」かいはおうていにあぐ まことにてよばうあやうきあり つぐるにゆうよりす じゅうにつくによろしからず いくところあるによろし。です。
「王庭に揚げる」と言っているので、王に訴える、ということです。孚(まこと)で言うからこそ、危いことである。という意味と、危険なことをみんなに知らせる、という意味でもあります。
正義を行うことは大切ですが、むやみに武力を用いてはいけない、と言っています。
なるほど。
そして、「夬」は「決める」という意味もあり、昔は「玉」に隙間が空いている物を「玦」と言いました。これを持つ人は決意を持つ人、決めた人を意味します。

人に関しては、拒否の意味を持ち、この「玦」の玉を離れた部下に渡す時は帰ってこなくて良い、という意味を持ったそうです。
なるほどね。
「澤天夬」は「四月」と対応し「二十四節気」では「穀雨」「立夏」と対応します、「十二星座」では「牡牛座」と対応します。

「穀雨」は春の終わりから夏にかけて穀物に雨が降るころです。「立夏」夏の兆しが見え始めるころです。
ひとつ前の「牡羊座」と対応した「雷天大壮」で能力を伸ばし、目標を固めだして「牡牛座」と対応した「澤天夬」になります。
「澤天夬」では、最後には大決壊を起こして、「双子座」と対応した「乾為天」になっていきます。
なるほど。
ひとつ前の「雷天大壮」では、上卦が「震(動く)」下卦が「乾(天)」で、本心、無意識に従って行動するイメージで、「澤天夬」では上卦が「兌(だ)」で下卦が「乾(乾)」ですから、本心、無意識で行動して思いが溜まっていく、イメージに変化します。
なるほど、その思いが決壊するのが「澤天夬」なんだね。
ついにこのシリーズも最後だね。
そうですね。







