
今回は特別企画「周易 象伝」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「周易 象伝」になります。
今回は「天火同人 上爻 象伝」です。

上爻は「同人于郊 悔无」ひとおなじくするにこうにおいてす くいなし。
象伝では「象曰 同人于郊 志未得也」しょういわく ひととおなじゅううるにこうにおいてす こころざしいまだえざるなり。
「上爻」は比しても無いし応じてもいません。そして「陰位」に「陽」です。強い志がありながら力、謙虚さが無いとも言えます。
でも悔无なんでしょ?
そうです、「上爻」は「三線形」の「乾(天)」の一番上ですから、遠いイメージです。ですから、ぶつかり合うことも無いが悔いも無い。しかし、志未だ得ることが出来ないのです。
逆に言うと、それはそれで良いとも言えるし、「志を成したい」と思うなら、比したり応じられるようにする、と言う事かな。
そう考えても良いでしょう。そうなれば「変爻」すれば「澤火革 上爻」になります。

「澤火革 上爻」の爻辞は「君子豹變 小人革面 征凶 居貞吉」くんしひょうへんす しょうじんつらをあらたむ ゆけばきょう おればていきち。です。
君子なら、心を入れ替え大きな変化を成し遂げ、小人なら表面のみを繕う、それは仕方のないことなので、必要以上に改革を求めるな、と言っています。
要するに「天火同人 上爻」も「遠く離れてしまうのは一般人、小人と合わない「陰位に陽」が原因」だと言う事か。
そういうことです。でもそのままで居ることも出来ます。簡単に何が正しいかを人に押し付けるのは人間を簡単に考え過ぎですよ。
「中」を得る、ってことか。





