かえるさんとにわとりさん「四字熟語」

四字熟語を通して言葉を考えるブログです。かえるさんと、にわとりさんがご案内します。

巽為風(そんいふう)五爻

巽為風 五爻

 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。

 

 今回は「巽為風(そんいふう)」五爻です。

巽為風 五爻

 卦辞は「小亨 利有攸往 利見大人」すこしくとおる ゆくところあるによろし たいじんをみるによろし。大人を見るによろし、は、立派な人を見習う、従うイメージでもありますが、自分の無意識に従うイメージでもあります。

 

 でもちょっとしか亨(とお)らないの?

 

 結果を出す、というより自分の成長のイメージの方が強いのです、「巽為風」は「巽」が二つ重なっています、「巽」は、成長を意味する「木」のイメージでもありますからね。

 

 「巽」は「風」のイメージもあるので、新しいことを試してみたいイメージもあります、それは「すごく丁寧」なイメージが必要です、そのことの謙虚さの大切さも含まれています。

 

 ですから「巽為風」は「二爻」と「五爻」が応じていません。「巽為風」は上下ともに「巽」の同じ三線形だから、当たり前ですが。

 

 そこに謙虚さが必要なんだね。

 

 「巽」の「したがう」の意は、周囲だけではなく自分の本心、直感、ある意味では「天意」に巽(したが)う、と言えます。

 

 「五爻」は「貞吉悔亡 无不利 无初有終 先庚三日 後庚三日 吉」ていきちくいほろぶ よろしからざるなし はじめなくしておわりあり こうにさきだとことみっか こうにおくれることみっか。

 

 どういう感じなの?

 

 先「庚」三日 後「庚」三日 と言う風に「庚(かのえ、こう)」と言うように「十干」が含まれているので、分かりにくいですね。

 

 十干は「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」の十種です。10日をひとまとめにして、一日づつに名前を付けたのが始めです。一ヶ月を上旬、中旬、下旬に分けるのはこの名残です。

 

 のちに「干支」と「十干」の組み合わせで「六十干支」になります。

 

 この日にちを示す「庚(かのえ)」「金の兄(かのえ)剣や刃物」を表します。

 

 なるほど。

 

 「庚」の三日前は「丁(てい)」「火の弟(ひのと)燃える火、焚き木」などを表します。ちなみに「丙、火の兄(ひのえ)」は太陽などを表します。

 

 「丁」は丁寧さなど深い思慮を表します。これは「金属を鍛えている」という意味になります。これはしっかり分析している、ということです。

 

 そういう意味なのね。

 

 そして後れること三日で「癸(みずのと)」「水の弟(みずのと)雨露」などを表します。そして自分の道を切り開くイメージです。そして「癸」は十干の中で最後ですから、形にする、結果にする感じですね。

 

 そうなのね。

 

 そして「先庚三日 後庚三日 吉」ですから、よく考えて、しっかり分析して結果を出すイメージです。

 

 へー。丁寧にやれってことだ。

 

 「五爻」は常に尊位です、「中」を得ているので、それだけでバランスを取ろうとしてる取れるイメージです。

 

 

 そして「陽位」に「陽」で位正しく、力強さはあるのですが、「二爻」とは応じていません。

 

 

 ですから、しっかりとしてはいますが下の人々と繋がっていないのできちんと説明しないといけないのです。

 

 なるほど、そういうことなのね。

 

 逆に言うと、しっかり説明しないといけないことから、新しいことをしようとしているイメージもわきますね。

 

 そういうことなんだね。

 

 そして「四爻」に比しています、「四爻」は、しっかりやって獲物を取る部下のイメージです。(隣の爻と陰陽が違う場合、比している、つながっています。)

 

 なるほど、自分が偉い「五爻」だもんね。だからこそ、しっかり丁寧にやれば上手く行くんだね。

 

 そして、とても大変なイメージの「上爻」には比していません。

 

 出典は「易経」でした。