今回は文民統制(ぶんみんとうせい)です。
軍隊を政治が統制するための仕組みを言います。シヴィリアンコントロールとも言います。「政治統制」「文民優越」とも言います。
軍隊を、政治家が統制すると何がいいの?
軍隊のお仕事は専門的なお仕事ですから、専門家が行うべきですよね。
そうだね「やったことないですけど、頑張ります」とか言われたら不安だよ。
でも、専門家と言うことは選挙で選ぶことは出来ませんね。
そうだね。
では、軍人さんが、その武器や能力を使って、政治を支配したらどうなるでしょう?
怖いね!
そうです、軍事国家になってしまい、軍隊に支配されてしまいますね。
そこで、政治家が軍隊のトップになれば、国民が、そのトップを選挙で落とすことが出来ますね。
なるほど!選挙でコントロール出来ることが素晴らしいのか!
「文民統制」には2種類ありまして、1つは「主体的文民統制」政治家が最大限軍に対し影響を及ぼす方法です、ただ、政治家が軍の最高指導者になるので、軍としての能力に不安があります。
そんなに違うのかな?
大げさな例では、第二次世界大戦時のドイツのヒトラーはきちんとした軍人ではありませんでしたが、最高司令官でした、数々の作戦失敗がありました。
退却は許さん!一歩も退くな!!みたいな感じか。
新兵器が出来るまで軍隊を待たせたり、目も当てられないさんざんな司令官でした。
なんだよ文民統制も不安だな。
もう1つは「客体的文民統制」です、政治の介入を最小限にすることで、軍の専門性を維持できますね。
なるほど、その代わり、政治の関わりが小さいというリスクもあるのか。簡単じゃないんだね。
日本は文民統制でしょ?
一応そうですが、2018年に、自衛隊の人が国会議員を怒鳴りつける、と言う事件がありましたが、処分は注意されただけでした。
怒鳴りつけたら注意じゃすまないの?
アメリカは文民統制がしっかりしてますから即クビでしょうね、多分そんなことは起こらないでしょう。
逆に文民統制されていない、と言うのは、国王や宗教などが個人的な軍隊を持っていて武力を行使できる状態。政府がコントロール出来ない軍隊があると言うことです。
「紛争地帯」などとも呼ばれますね。
文民統制は、国家の命令によって、国民の利益のために行われた行為の責任は、国家の政府に帰属する、と言うことでもあります。
なんか、難しい話だな。昔、素人が軍を支配するから文民統制、って言った大臣がいるよね。
恐ろしいことですね。軍人で無い政治家にも豊かな知識が必要です、防衛大臣は大変重要なポストです。
文民統制は、17~18世紀のイギリスで誕生した考え方です。