今回は特別企画「易経 十二消長卦」です。哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経 十二消長卦」になります。
今回は「時の流れを 易経 十二消長卦」です。
「十二消長卦」ちょこちょこ出て来るけど、何だか良く分からないけど。
簡単に言うと「易」の「六十四卦」のうち特定の「12」の卦を「十二消長卦」と呼びます。
なるほど。
上記の卦が「十二消長卦」です。一か月が一つの卦に対応しています、括弧(かっこ)内は一か月進んでいるように書いてあるのは、括弧の中は現代の新暦になっています。
なるほど。例えば現在では「乾為天」は「五月」だけど、昔は「四月」と対応していたんだね。
ちなみに、それが何の役に立つの?
例えば「乾為天」は、全てが「陽」の卦ですね。
そうだね。
「乾為天」は現在では「5月」な訳です、「乾為天」は強い自分の気持ちを貫くことを良しとした卦です、これは今まで冬に耐えてきたけど、暖かくなってきてやる気がみなぎってきたイメージでもあります。
だから、周囲に従うと言うより自分の信念に従うようなイメージか。
植物も冬を越えて大いに育まれ成長し、最高潮のイメージです。
暖かいからか。
では「六月」は?と言えば「天風姤」です。「天風姤」は一番下の「爻」のみ「陰」の卦です。
このイメージが最高潮の「乾為天」からひと月経って「天風姤」になった、というイメージになります。この二つの卦から「時間」のイメージを見出したのです。
じゃあ、「乾為天」から「天風姤」になったから弱くなった、ってことなの?
そんな簡単な話ではありません。「乾為天」は上卦も下卦も「乾」です。ですから強い意志と頑固さ、願望が大きい、よって「願望によって成長する」か「願望によって迷い苦しみ挫折するか」というイメージが発生します。
そうか「乾為天」=「嬉しい」なんて簡単な話じゃないのか。
でも大変だからこそ、能力も伸びます、しかし、理想に燃え始めの時とはステージが変わってきます、それが「六月」の「天風姤」です。
一番下の爻が「陰」になりました、それによって上卦は「乾(天)」下卦は「巽(風、木)」になります。
あ、「木」は成長の感じなんだよね、でも「天風姤」は大変なイメージだよね、良くない女にひっかがる、みたいな。
それは「女」=「しっかり結果を出す」「結果にこだわりすぎて本質を失う」の両面の意味を象徴的に持っているからです。ですから「使命」に向かって苦労するイメージでもあります。
苦労して成長しだす「木」または無意識を感じる「風」が入ってくるからなのか、それは「乾為天」の五月に良い目標を強く決意すれば乗り越えられるイメージなんだ。
「天風姤」の「一陰」は単に弱いのではなく「乾為天」の強さと今までの自分の生き方によっては目標に向かう勤勉さでもあるのです。
「十二消長卦」はそういう新たなイメージをもたらしてくれるんだ。
さらにいろいろあるのですが、それはまた次回に。