今回は校書掃塵(こうしょそうじん)です。
校合(こうごう:きょうごう)作業は何度やってもカンペキにならないということ、です。
「校合」?
写本や、すでに出版された本の文章の違いをチェックして書きだす作業です。または折丁(おりちょう)や版型、落丁などを書き出す作業です。
「写本」?「折丁」?
「写本」は書き写された本、本を書き写すこと、を意味します。
写本は判るけど、すでに出版された本なんてみんな一緒じゃないの?
出版された本も、文章が違う異本もありますから。
「異本」?
同じ原典をもとにしている同じ書物でも、文章や構成が相当程度違っている本です。
昔の本は写本の過程などでこういうことは良くあります。普通の本は「定本」「流布本」などと言います。
「異本」は珍しい本も指します。
なるほど、そういう違いとかを見るのが「校合」か。
そうです。
「折丁」は?
本は1ページづつ印刷しているわけではありません、大きい紙にまとめて何ページも印刷して、それを折って重ねて本にするわけです。
その時の大きな紙を「折丁」と言います。ですから折丁の構成などを書き出すわけです。
へー、その「校合」はいくらやってもカンペキにはならないよ、ってことなのかな。
そうです、部屋掃除をしてもチリは完全には無くならないでしょ。
だから「校書掃塵(こうしょそうじん)」なのか。
そういうことです。
出典は「夢渓筆談(むけいひつだん)」でした。