今回は空一円相(くういちえんそう)です。
禅の「十牛図(じゅうぎゅうず)」の8番目の図柄「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)」のことです。
十牛図はこう言うやつだね。牛と人で心の葛藤や禅の修業の段階を示した図だ。
牛を追いかける自分、と言うイメージで始まるけど、牛は自分の本当の気持ちで、その牛と自分が一体化していくイメージだね。
そして、その途中で完全に全てが消えるイメージが「空一円相(くういちえんそう)」だね。「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)」だ。
八番目は、これだね、何にも描いてないね。
何も無いから、無なの?悟りっぽい感じだけど。
悟りと言う超越状態のようなものは、商業的な意味合いが強く、あまり気にしないでよいでしょう。
実際には、例えば、素晴らしい風景を見て感動している時、はこの状態と言えます。
しかし、よし!写真に撮ろう!ってスマホやカメラを探す時は、この状態ではないですね。
そうか、普通に人生を生きていても、自分も対象も存在を忘れて、一体になる時ってあるね。
人は、人生のうち未来や過去に悩まされる時間はけっこう長いものです。
たしかに。
その意味で、このような心境になれること、何かに夢中になれる時間を探して生きることは大きな意味があるでしょう。
何も無い、と言うことは存在しません、しかし、何も無い、と思える心境になることは可能です。
何も描いていない所に何を感じるか、何を感じなくなれるか、いろんな考え方が出来るね。
そうですね、禅ですから自分なりの答えを探してみるとよいでしょう。