今回は蟷螂之斧(とうろうのおの)です。
自らの力を省みず強い相手に向かっていくこと。
自分の力を知らない、ってことだ。蟷螂はカマキリ、ムシだね。
だいたいこの言葉は、自らの力を省みず強い相手に向かっていくこと、と本などに出ています。これだけで意味がわかりますか?
え、自分の力を考えないんだから、おばかさん、ってことじゃないの?
それもあります、でも、その様子はみる人によっては、勇敢にも見えませんか。
ああ、なるほど。
このカマキリが、とにかく何かに向かっていく、という故事は中国古典にはたくさん登場します。「荘子(そうじ)」には、考えの無いヒトをカマキリが、車輪に向かっていってひき殺されてしまうようなものだ、と注意している文や、くだらない知識、行為をいさめるのにも、考えの無いカマキリのようだ、という文が載っています。
これは、身の程を考えなさい、ってことだ。
「淮南子(えなんじ)」には、斉(せい)の荘公(そうこう)が、自分の車に向かっていくカマキリをみて「これほど勇敢ならば、彼が人間ならば天下を取っただろう」と言って、カマキリをひかないように自分の車をよけていったそうです。それをみて部下達は大変感動したそうです。
そうか、荘公は、勇敢さを尊ぶ、ということを、部下達は知ったんだね。勇敢に戦えば認められるって思ったんだ。カマキリにでさえ勇敢さには敬意をはらったんだね。
そうですよね、どちらも、自らの力を省みず強い相手に向かっていくこと。なんですけど意味が違いませんか。
ぜんぜんちがうね。
しかも、カマキリが何にでも向かっていく、なんてモチーフ探せばいくらでもありそうだし、今回は
出典はわかりません。