今回は吮疽之仁(せんそのじん)です。
部下を思いやる上司のことです。
「吮疽(せんそ)」?
腫れ物の膿(うみ)を吸い出すことです。
えー!マジで!?
吮疽之仁(せんそのじん)って?
昔の中国の「呉起(ごき)」という将軍が、いつも部下と共に同じものを食べて、部下がケガをして膿んだりするとその膿を吸い出して治療したそうです。
へー、将軍なのに、贅沢しないでえらいね。
というわけで部下からとても親しまれていました。
しかし、自分の子供が膿を吸い出してもらった母親が悲しんだ、という話もあります。
治療してもらったのに?
そういう兵士は感激して命がけで戦うため母親はそれを心配したのです。その兵士の父親も膿を吸ってもらって感動し戦って亡くなったそうです。本当かどうかは判りませんが、そういうこともあったのではないでしょうか。
あ、なるほどね!
現在でも政治家に極端な清貧を求めますがきちんと勉強してきちんと仕事をしてくれればいいと思うんですけどね。
あまり極端なことを言うと現実的ではないですし、政治家になる人がいなくなりますよ。
将軍には将軍の仕事がある、という意味では「呉起(ごき)」の行動は士気を高めるための技術と考えるのが自然でしょう。
うーむ、そう考えた方が自然か。
政治家や将軍は感動させることが仕事ではないですからね。しかし今も昔も人気取りは大切ということでしょうか。
出典は「史記」でした。