今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。
今回は「地天泰(ちてんたい)」五爻です。
「地天泰(ちてんたい)」は、易者さんが看板に使うほど良い卦とされています。陰陽のバランスが取れるイメージです。「天沢履(てんたくり)」の挑戦を良くバランスを取り泰平のイメージです。全ての爻が応じていることでそういうことが示されています。
五爻は「帝乙帰妹 以祉元吉」帝乙(ていおつ)は殷(いん)の君主で、まだ周に倒される前に仲良くするために娘を周の西伯(後の文王)と婚姻させた、それは上手く行った。というような意味ですが、殷は次の代の紂王(ちゅうおう)の時に滅んでいます。単純な良い、という意味だけでなく、役目を果たしたものが新たな形になって行くイメージもあります。
なるほど。でも「元吉」ってかなりいい感じだね。
自分が「五爻」要するに「尊位」でありながら、「陽位」に「陰」で、弱く、謙虚である、そして「上爻」「四爻」に比せず、助けも無いのです。
しかし、下の「二爻」に応じ、「中」を得ていますから、「部下に輿入れさせる」ことで平安を得ることを良い、と言っているのです。
「殷」は後に滅びてしまいますが、するべきことをした、とも言えます。
なるほど、現状での最善とも言えるんだね。
出典は「易経」でした。