今回は暗香蓊勃(あんこうおうぼつ)です。
月夜などに梅の香りが漂ってくることなど、を意味することが多いです、暗い中に香りがしてくる、というのが香りの印象を強くしていますね、蓊勃(おうぼつ)は、盛んに、ということですので、ほのかな感じではないですね。
暗香蓊勃(あんこうおうぼつ)自体は新しい言葉です、幕末のころの日本の学者、斎藤拙堂(さいとうせつどう)の本「月瀬記勝」の言葉です。
暗香(あんこう)は、宋の時代の中国の詩人の林逋(りんぽ)「山園小梅」「疎影横斜水清浅。暗香浮動月黄昏」と言う梅を詠んだ句の言葉です。
うわ!!暗闇から臭いが!!みたいな感じじゃないのね。
そうです。全く違います。
蓊勃(おうぼつ)は、中国の唐の柳宗元(りゅうそうげん)の「閔生賦」の言葉です、草木が盛んに茂る様子を言った言葉です。
じゃあ、その「暗香(あんこう)」と「蓊勃(おうぼつ)」を日本人がくっつけたんだね。
そう言うことです。
出典は「月瀬記勝」でした。