今回は老馬之智(ろうばのち)です。
古い馬は頭がいい、ってことかな。
そこから転じて、先人の言うことは参考にしましょう。経験を積んだヒトは優れた知恵をもっている。ということですね。
昔、道に迷ったヒトが老馬は一度通った道は覚えているから、と馬を放ち、付いていったので無事に帰ることが出来た。という故事があるのです。
覚えてた馬もすごいけど、自分は分からないけど、馬なら分かるはずだ。って思うヒトがすごいな。
実はこのヒトは、古代中国の斉の国の管仲(かんちゅう)という、大変頭の良いヒトです。三国志で有名な諸葛孔明をほめる時、管仲と楽毅(がくき)にも勝るとも劣らない人物と言いますが、その管仲なんです。
じゃあ、頭のいい人は、人の知恵を借りる大切さを知っているエピソードにも聞こえるね。
そういう意味では、馬が日頃の恩返しをして、主人を救った、という考え方もあるみたいですよ。
故事から考えると、いろいろ拡がっちゃうね。
そうですね、そうやって色々な解釈がされて、辞典などには、一番ポピュラーなものが載るんですね。
古典とかが好きな人同士だったら、自分はこういう意味だと思う、なんて会話も楽しいですが、一般の人相手にそういう話をすると、わけ分からなくなりますからね。
出典は「韓非子」でした。