今回は一得一失(いっとくいっしつ)です。
ものごとには利益と損の両面がある。得と同時に損もあること。
いいこともあれば、悪いこともある、ってことだね。
そうですね。
ただ、元の話は、お坊さんが食事をしてると、二人の坊主が来たので、すだれを指差しました。坊主たちは二人ですだれを巻いたのですが、そこにお坊さんが「一得一失」と言います。
ひとりは上手でひとりは下手だ、と言う意味です。
この言葉の出典である、禅の本「無門関」を書いた無門和尚は、このお坊さんの間違いを見つけて欲しい、と書いています。
えー!!お坊さん間違ってるんだ!難しいな。
すだれの巻き方が下手な人と上手い人がいたってこと?それじゃあ、お坊さんの間違いじゃないか。
あ!こんなすだれを巻くなんてことにまで、上手いとか下手とかいうこと自体が間違いってことかな!!どうでもいいことだよ!!
そう考えると禅らしいですよね。
一得一失って、いい所も悪い所もあるってことだよね?
元の意味は伝わらず、漢字の通りの意味になったんですね。
禅は判りにくいからな。
カンタンに答えを出さず、良く考えることが禅では大切です。
出典は「無門関」でした。