今回は不失正鵠(ふしつせいこく)です。
物ごとの要点をしっかり押さえることです。
正鵠(せいこく)は弓矢の的の中心の黒丸です。
あんなものにまで名前があるんだね。
「鵠」って鳥って字が入っているね。
「正」も「鵠」も昔の中国の弓矢の的で、中心に鳥の絵が書かれたものだったんです。
あ、で、それを「不失」失わないから「不失正鵠(ふしつせいこく)」要点を外さない、ってことか。
その通りです。
的を得た話、とか今でも言うもんね。
そうですね。もちろん、その使い方でも正しいですが、戦後一時「的を得る」は「的を射る」の間違いだ、と言う俗説が蔓延した時期があったため、未だに間違いだと思っている方も多いので使う時はご注意を。
なんで戦前は使われていたのに「得る」は間違いになっちゃたの?
有名な学者、辞書に取り上げられたから、だそうです。その辞書でも、今は両方いけます、って書いてあります。
ま、間違いは誰にでもあるからね。
そうですね。
出典は「礼記」でした。