今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。
今回は「地水師（ちすいし）」四爻です。
「地水師（ちすいし）」は「天水訟」の次の卦ですから、訴えの後に、「師（いくさ、軍隊）」あり、戦いのイメージです。内容を見ていくと世継ぎ、長男に任せることが良い、とあるので、「震（雷）」のイメージで、直感に従うこと、使命に向かうことを意味します。そして軍を起こすなら正しい理由であること、規律や筋を通すことの大切さを述べています。ただ一つの「陽爻（二爻）」がリーダーのイメージであります。
四爻は「師左次 无咎」しさじす とがなし。です。
どういう感じなの？
単純に引き下がっても問題ない、という読み方も出来ますが、四爻は三爻までの「水」の「坎険（かんけん）」を抜けて、しっかり地道にやる「坤（こん）」に入っていますし、四爻は陰位ですから、陰であることを良しとして、「しっかり目的が判っているならば、退却も問題ない」と読めます。
要するに「弱い」時に「弱いから退却する」のは問題ない、咎无（とがなし）ってことなんだね。
そういうことです。そして「左」を「東」という意味にとることも出来ます、その意味では「本当にやりたいことを判っているのなら」上手く行かない時には、一時退却も必要だ。という意味もあります。
出典は「易経」でした。
