今回は返本還源(へんぽんげんげん)です。
「十牛図」は中国の北宋の臨済宗の僧、廓庵(かくあん)の描いた作品で、人が「悟り」に至る過程を「牛」と「人」で描いたものです。臨済宗だから禅のお話です。
返本還源(へんぽんげんげん)は、9番目の部分で、牛を得て、牛と一体になったら、すっかり元に戻っていく、と言う状態です。
あら!せっかく、牛と一体化したのに?
一体化して、悟ってどうこうなる、なんて、妄想ですよ、せっかく日々に悩まなくなったんだから、元通りになるべきですよ。
禅はより良い気持ちを持つため、の技術とも言えます、その意味で、悟って何か特別なものになろうと言うのは、おかしなことです。
返本還源(へんぽんげんげん)、元に返る、源に還る。牛と言う自分をしっかり理解して、完全に一体化する、そうなったからこそ、元の生活に還る、なるほどね。
自分、自分、では無く風景を素直に楽しめているとも言えますね。
1「尋牛」(じんぎゅう)
2「見跡」(けんせき)
3「見牛」(けんぎゅう)
4「得牛」(とくぎゅう)
5「牧牛」(ぼくぎゅう)
以上はカテゴリー「十牛図」の方に説明がございます。