今回は入鄽垂手(にってんすいしゅ)です。
「十牛図」は中国の北宋の臨済宗の僧、廓庵(かくあん)の描いた作品で、人が「悟り」に至る過程を「牛」と「人」で描いたものです。臨済宗だから禅のお話です。
そのなかで入鄽垂手(にってんすいしゅ)は、最後の10番目の部分で、悟りを広げていこう、と言う部分です。
お、牛と一体になって、悟ったありがたい私の話を聞きなさい、ってこと?
そうでは、ありません、せっかく変わったのですから、そんなことは必要ありません、ただ、普通に生活すれば、自然に人々が幸せになれるように振舞えるようになっているでしょう、そう言うことが自分にとっても幸せだと感じられるでしょう。
牛と一体になったから?牛は自分の心だよね?
自分と自分の心が離れていた、それが牛を探す時の状態です、そのために世間の常識や、圧力のために苦しむ状態です。
だから、牛を探し一体化する。それは自分を理解し、自然にそう行動することで、牛を飼いならし、一体化したのです。
それが出来たら、人を幸せにすることがとても幸せなことだ、と理解できるようになるってことか。
そういうことですね。
1「尋牛」(じんぎゅう)
2「見跡」(けんせき)
3「見牛」(けんぎゅう)
4「得牛」(とくぎゅう)
5「牧牛」(ぼくぎゅう)
以上はカテゴリー「十牛図」の方に説明がございます。