今回は初春令月 気淑風和(しょしゅんれいげつ きしゅくふうわ)です。
初春の好い月、気淑(よ)く風和(かぜやわらぐ)と言う意味で元号「令和(れいわ)」の典故となった言葉です。
「万葉集」の梅花の歌、三十二首の序文にある言葉です。
「令」って命令とか指令のイメージだけど、元号に使うってことは宜しい意味なんでしょ。
「令」は、良い、立派な、と言う意味もあります。
「令」は決まり、させる、と言うような意味もあり、「令和(れいわ)」は「和」に向かって努力する、と言う意味にもなります。
おお、なるほど。
序文の内容は、美しい自然の中で、心を開いてみんなで詠いましょう、と言うような宴席での様子を書いた文章です。
文化的な印象がありますね、西暦730年ごろの当時、梅は大陸から来た大変珍しい植物だったようです。そう言うものに囲まれてみんなで楽しんでいる雰囲気です。
へぇ、新しい時代にぴったりだね。
万葉集は、歌の前に序文があるんだね。知らなかった。
詩集の有名な序文と言えば、王羲之(おうぎし)の「蘭亭序(らんていじょ)」ですね。
おお、そう言うイメージなんだ、カッコイイ!
「令和(れいわ)」はアルファベットだと「R」って略すんだね。
そうです。ちなみに248番目の元号です。今までの元号は中国の古典から取っていましたが、今回は初めて日本の古典が出典となります。
「令」と言う文字は元号に初めて使われるんでしょ。
そうですね、一度だけ「令徳(れいとく)」と言うボツ案が幕末の頃にあったそうですが、採用されるのは初めてです。
出典は「万葉集」でした。