今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。
今回は「山水蒙(さんすいもう)」三爻です。
「山水蒙(さんすいもう)」は、上卦が「山」で下卦が「水」です、最初苦労して学び、沼や水たまりを抜けて、山を登り、学びを得て山頂に着く、という道を学ぶ側と教える側の立場で示した卦です。愚か、未熟なイメージと、素直で真っ直ぐなイメージ、をしっかり育てるのです、自分で自分を育てる、そして、育てることは自分も成長することなのです。
三爻は「勿用取女 見金夫 不有躬 无攸利」じょをめとるにもちうるなかれ きんぷをみてみをたもたず よろしきところなし。です。
どういう感じなの?
とりあえず、お金に目がくらむような女は結婚してもろくなことが無い、と言っています、これは象徴的には、自分が本当にやりたいことを目指さずにお金で全てを決めてしまっては、その決意は無駄なものになる、という意味でもあります。
やりたくないことをお金のためにやっても充実した人生にならないから結局辞めてしまう、ってことかな。
そうです、そして、その目先ばかり考える人を用いるな、というと同時に自分自身がそうなっていないか、ということも言っているのです。
なるほど。
「山水蒙」の「三爻」「四爻」「五爻」は「陰」なので、これからもしっかり努力することが示されているのです。
努力して成長することが大切だけど、それを他者のお金で乗り越えようとしている、ってことなんだね。
そういうことです。
出典は「易経」でした。