今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。
今回は「山水蒙(さんすいもう)」初爻です。
「山水蒙(さんすいもう)」は、上卦が「山」で下卦が「水」です、最初苦労して学び、沼や水たまりを抜けて、山を登り、学びを得て山頂に着く、という道を学ぶ側と教える側の立場で示した卦です。愚か、未熟なイメージと、素直で真っ直ぐなイメージ、をしっかり育てるのです、自分で自分を育てる、そして、育てることは自分も成長することなのです。
初爻は「発蒙 利用刑人 用説桎梏 以往吝」もうをひらく もってひとをけいするによろし もってしっこくをとく もってゆけばりん。です。
どういう感じなの?
人を教えるにはしっかりした規律が必要である、しかし、しっかりと理解したのちにまで厳しくしていては教育にならない、ということです。「桎梏(しっこく)」は足かせのことです。
いつまでもいうことを聞かなかったら永久に厳しくしていいの?
教育の目的は「教育」教えて育てることですから、そのために他の手段を探すことも必要な時もあるでしょうが、単に仕方ないからと緩めては教育になりません、決まりに意味がないですからね。
とは言え、理解した後には緩めること、は大切です、ただ委縮させてしまいますからね。
ちょうど良い教育って難しいね。
簡単にマニュアル化出来ないものですね。それだけに育てる側にも学びが多いはずです。
学ぶ側は?
素直に理解に努め、教えを吸収したい向上心を持つことが大切ですね。自分の無知さを謙虚に受け止めることです。
それは難しいわ。
出典は「易経」でした。