今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。
今回は「水雷屯(すいらいちゅん)」二爻です。
「水雷屯(すいらいちゅん)」は、自分の無意識的想いの「乾為天」と、実行、現実化したい勤勉な「坤為地」の合わさった、「やりたいことを実行する」イメージなので、大変な感じがしますし、「良くない卦」などと言われますが、要するに本気でやりたいことがあるから悩む、苦労する感じです。
二爻は「屯如邅如 乗馬班如 匪寇婚媾 女子貞不字 十年乃字」ちゅんじょてんじょ うまにのりてはんじょ あだするにあらず こんこうせんとす じょしていにしてじせず じゅうねんにしてすなわちじす。
簡単に言うと、結婚しに来たけど、賊と間違えられた、それは使命を探してウロウロと優柔不断な感じです、そして十年にして字す。は出産に十年かかった、ということです、要するに、自分の使命を見つけて、形にするには十年、長い時間がかかるものだ、とも取れます。
最初から上手く行かないのは当たり前ってことか。
そうです、そして賊と間違えられるのは「誘拐婚」という風習のことを指しています、必ずしもそうではないのですが、この場合「無理やり、同意なく」という意味にとることも出来ます。結婚は「やりたいことと、やらないといけないこと」を融合する意味でも使います。
なるほど、歴史的風習とか、象徴的比喩とかもあるんだね。無理にやろうとしても簡単には行かないってことだ。
易者さんはそういうことにとても詳しいわけですね。
出典は「易経」でした。